アダルトビデオ撮影スタッフアルバイト

今回のお話には、「卑猥」な表現と感じられてしまう言葉が多く羅列されています。

しかしながら、実際の内容や体験談を忠実に再現するためやむを得えず使用している表現技法や作中の言語として、寛大なお心で卑猥性をお許し頂けたら幸いです。

さて、同じ人間であるにも関わらず、男という性別に生まれてしまったことに後悔を感じている方は世界中に果たしてどれくらい存在するのでしょうか。

またはその逆、つまり「男に生まれて良かった!」と心の底から思っている方はどれほどいらっしゃるのでしょうか。

今回のこのお話はほぼ男性に限定性があり、また、決して「そうであるとは言い切れません」が、どちらかと言えば後者の方がお好きなお話なのかもしれません。

唐突に申し上げるならば「AV」、いわゆる「アダルトビデオ」という存在を知り、血眼になって夜な夜な寝ずに人目を避けつつ見たことがある男子は少なからず、いや世界規模でいうならばじつに大多数いらっしゃることと思われます。

しかし、そのほとんどの男夢は「モザイク」という名の大壁の囲いに守られて、いや阻まれて、漏水は愚か、崩落などあり得ない状況であったと言えましょう。

あるときは「裏」と高称される高額な商品に魅了され、手にしたときの「ありあまる高揚感」が、閲覧した瞬間に一瞬で崩壊したこと、またあるときは、大壁を取り除くといわれる伝説の商品を高額で購入したが、あえなく没してしまったことなど、数々の失態をご経験された猛者もいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、その猛者たちが到達した1つの結論、それは「だったら生で見るしかないだろう!!」という、実に理に適った現実なのです。

そう、これはまさに1つのある広大な男夢を乗り越えようとしている瞬間とも言えるでしょう。

さらにそれを乗り越えた先、そこに犯罪性は皆無であり、見るだけではなくなんと収入さえも得られてしまうという楽園があったのです。

そう、そこには男の夢のお仕事「AV業界」が存在していたのです!

というわけで、今回は「AV業界の日雇いアルバイト」のお話しをさせて頂こうと思います。

今回も少し長くなりますが、最後までお付き合い頂けたら幸いです。

ストーリー仕掛けのアダルトビデオ

2009年3月末日、いまだ継続している映像機材レンタルのアルバイト、そこでお世話になっている「東風さん」からの紹介を受けて、今回は「日雇い兼、継続型のアルバイト」をすることになっていた。

そのアルバイトとは、簡単に言うと「AV撮影スタッフ」であった。

私は東風さんを伝い「ある特殊なルート」を経由して、この仕事の依頼を頂けることとなったのだ。

その時の私は内心ひそかに「胸が躍動」し、ある種の男としての喜びや謎の優越感にさえ浸っていた。

その概要は、東風さんが丁寧に教えてくれたおかげで大体は理解していた。

この業界で大物と言われる監督が、最近立て続けに新作を出すこととなり、いつも雇っている製作スタッフの数が圧倒的に足りなくなってしまったこと、それがきっかけだった。

また、当初は東風さんが参加する予定であったが、急なロケが入ってしまったので私が代理として抜擢された。

「何でもその監督はストーリー性を重視したAVが評判の方らしく、最近の市場ではかなりの人気を博しているようです。自分は前回も行ったことがありまして、今回はロケも入っていて断れないので、ぜひ自分の代わりに参加して頂けたらと思いまして…どうですか?」

無論、二つ返事の私は当日使うカメラや機材のチェックを入念に行っていた。どのカメラをどのように使うかなども、東風さんが丁寧に教えてくれたおかげで抜かりはない。

そして次の日の朝、私は都内某所の撮影現場へと足を運んでいた。

喘げ!廃屋の病院!

4月1日、その日はエイプリルフールと呼ばれ、1年で唯一どんなにエグい冗談でさえも許されてしまう日であったが、この日の私はどんなに笑える冗談でさえも笑って返せる気分には到底なれなかった。

都内某所の撮影現場、あらかじめ貰っていた住所も地図も間違いはない。しかし私の目の前には、とても冗談とは思えないものがそびえたっていた。

それは、今は絶対に使われていないであろう廃屋と化した病院跡であった。

朝なのに、夥しさを自然に纏っているその建物の周りには大勢のカラスが飛び回り、さらなる異様な雰囲気を醸し出していた。

時計が午前8時を指したころ、撮影スタッフらしき人たちと、監督らしき人が私のもとに近寄ってくる。

「どうもどうも!おはようございます!私製作会社の滝沢と申します!あ、名刺とか普段持ってないので、すみません!で、こちらが監督の磯貝さんです!」

軽い感じの助監督兼制作会社のチーフ滝沢さんと、スタッフ数名、監督の磯貝さんとの挨拶を終えると、数分後にタクシーで女性が数人現れた。おそらく今回の女優さんたちであろう。

私は基本裏方なので女優さんとの挨拶は特になかったが、軽い会釈をされたので私もにやけた顔を引き締めて、いたって真面目な顔で会釈をする。

そう、これは仕事なのだ!生半可なエロい気持ちで臨んではいけない!そう思いながら、カメラや音声機材、レフ板と撮影に必要な物を準備していく。

「シーン13!テイク2!本番5秒前!4、3、・・・・・カシャ!」

「2」と「1」は口パクで、声に出さないことの意味は割愛させて頂くとして、撮影は順調に進んでいた。

ストーリー仕掛けが売りなだけあって、撮影から2時間が経過しているにも関わらず、女優さんは誰ひとり脱いでいない。

また、その内容はいたって不思議な構成で、「旦那は浮気している女がいて、その女は実は旦那の妻と旧知の仲であり、最初から旦那を陥れるのが目的で近づき慰謝料をせしめようとするが、逆上した旦那が女を電車につき落して殺してしまい、妻がそのあと旦那を毒殺する」という、本当によくわからない不思議なストーリーだった。

そしてようやく女優さんが裸になって登場してきた。見ないつもりでいたが、やはり普通にまじまじと見てしまっていた。

20代前半、可愛らしい小柄な女性で、胸のサイズはEカップ前後であろうか。顔は小倉優子に少しだけ似ていた。

ちなみに撮影するのは、「医者である旦那が、妻と旧知の仲の浮気相手とセックスする」というシーンであった。

「よし!そこだ!そこで喘ぐんだ!!いいぞ!もっと!もっとだ!よし!!OK!!」

カメラマン兼監督の磯貝さんの声が静かな病院全体に響くなか、自慰を繰り返し喘ぎ倒すシーンは無事に取り終えた。

マイクがオンになっていていること、女優さんの喘ぎ声がしっかり入っているかなどをチェックバックして、次のシーンの撮影の準備に取り掛かる。

ちなみに女優さんの喘ぎ声以外は、編集でキレイに消せるので、監督のうなり声には何の問題もなかった。

作れ!疑似精子!!

それからのシーンはほぼセックスの連続で、女優さんの喘ぎや顔の表情などを重点的に撮り、実際にセックスしているシーンは別で後から撮影するという技法を用いて交互に撮影していた。

ただし、セックスと言っても実際に「その行為」は行われていなかった…と言いたいところであるが、実は男優さんはコンドームを装着して、リアルに女優さんと「その行為」を行っていた。

男優さんが必死で女優さんと交わっている中、監督がいきなり声を荒だてた。

「いまだ!おい滝沢!!例のアレは!?すぐに持ってこい!!」

助監督の滝沢さんはすぐにポケットからスポイトらしき物体を取り出して、男優さんにわたすと、それを慣れた手つきで自身の股間の下に持っていき「はぁはぁ」と声を荒立てる演技をしながら女優さんの腹部や顔にかけまくっているのだ。

(一体これは・・・あ!?なるほどそういうことか!)

私がそれに気づくと同時に滝沢さんが、私にスポイトと何かを渡してきた。

「すみません!ちょっとこれで作ってきてもらえませんか?」

渡されたのは手のひらサイズの小さなスポイトとガムシロップ、そしてコーヒーフレッシュと小さな小鉢であった。なるほど、これを混ぜ合わせて「アレ」を作っていたのか!?

一応まわりのスタッフに作り方を聞いてから、スポイト3本分の「疑似精子」と呼ばれるものを生成した。

「よし!いまだ!!」

作った疑似精子を、ふんだんに女優の顔にかける男優さん。確かに考えてみると理に適っている方法だ。

同じ男優さんが毎回そんなに自身の精子を出せるわけがないのだ。当然、この後も同じようなシーンが結構残っているのだから、この疑似精子なるものを使いでもしなければ体が持たないだろう。それにこれを使っている限り、誤って妊娠する可能性はない。

ちなみに、私が一生懸命作った3本の疑似精子の最後の1本は、リアルに収縮を繰り返す女優さんの膣の中で発射された。

挑め!フィストファック!!

廃墟の病院跡と言うと語弊が生じるので簡単に説明しておくと、これは「そういうコンセプトのスタジオ」なのだ。

当然、スタジオなので専属のスタジオスタッフもいるわけで、リアルに稼働する診察用の機械なども、彼らが裏で操作していたのである。

先ほどの女優さんのとは別の女優さんが、やはり裸で登場する。今度は長身で175cmくらいのモデル体型で、すらっとした美人系の女優さんであった。

胸のサイズはCカップよりやや小さめか。ちなみに女優さんは全員、今回の撮影のため股間はキレイに剃ってあったので、カメラが回るとき以外は少し恥ずかしそうに股間を手で隠していた。

その女優さんが今回挑戦するシーンは、「医者である旦那が、内診台の上に部下の看護婦を乗せて、そこでフィストファックする」という内容であった。

女優さんが内診台の上に片足ずつ乗ると、内診台が左右に開いていきカメラの正面で股間が全開で露わになる。

これにはさすがに慣れている女優さんも顔を赤らめていた。股間に毛が一切ないツルツルの状態であるから尚更なのだろう。

「よし!ここでフィストだ!!ゆっくりだ!!ゆっくり入れていけ!!!」

興奮した監督が、カメラを片手に男優さんに指示をしていく。男優さんはゆっくりと女優さんの膣の中に手首から先をズブズブと埋め込んでいく。

女優さんの演技ではないリアルな叫び声をここで初めて聞いたが、それは艶めかしいことこの上なかった。二の腕の半ばくらいまでが膣の中に埋め込まれた時点でカットがかかる。

「よ~し!Ok!OKだ!!滝沢!次のシーンの準備だ!!」

女優さんの膣からゆっくりと腕を引き抜ぬくと、男優さんはほっとした安堵の顔で女優さんと何やら話して去って行った。

女優さんがスタッフに大丈夫かと聞かれていたが、「ええ!大丈夫ですよ。少し痛かったですけど、本来子供が出てくるように出来てますからね。」

股間に腕を突っ込まれて、余裕でこの発言とは!?このフィストファックという技(?)について後から考えると、なんとも凄いことだったのだが、ここでのこの状況のせいか、その場ではいまいちピンとこなかったことを今でも憶えている。

進め!潮吹かせ隊!潮吹きセット見参!?

ストーリーシーンなどを間にはさみ、淡々と撮影が進んでいき、既に時刻は午後6時。辺りも少し暗くなてきたところで、この病院での最後の撮影が始まった。

フィストファックのときの女優さんとは別の女優さんが、普通に裸で登場する。今度の女優さんは中肉中背のぽっちゃり体系で、見た目は一見して普通の女子高生のようだが、そんなわけはない。胸のサイズはDカップ前後、ハリのある綺麗な胸の持ち主であった。

今回の撮影は、このAVシリーズの真骨頂とも言える「潮吹き」シーンのようだ。

病院のベッドの上にまたもカメラ前で股間全開の女優さんに、先ほどと違う男優さんが激しく交わる。

当然コンドームは付けているが、それも外れそうな勢いであった。

「よし、滝沢!最終兵器だ!!用意しろ!!」

磯貝監督がカメラを回しながら指示を出す。その後ろでカメラコードを束ねながら照明を照らし、さらに音声まで担当している私はこれまでのシーンを全て監督の真後ろで見てきている。

不思議なことに頭が完全に仕事モードになっていたせいなのか、性的欲求は一切湧いてこない。目の前で結構可愛い女優さんがツルツルの股間を全開にして喘いでいるにも関わらず、その股間を照明で照らすことで精いっぱいになっているのだ。

と、そんなことを考えているうちに、滝沢さんが最終兵器なるものを持ってきていた。今度はいったい何をする気だ?

「滝沢、股間に装着しろ!!よし!準備が出来たらカウントだ!!」

女優さんの股間に何かを装着し、離れる滝沢さん。後ろでゆっくりカウントダウンをしていく中で、磯貝監督は正面の股間のアップから少しずつ視点をずらしていき、女優さんの真横の位置まで移動、そこであらかじめ置いてあった三脚にカメラを固定させると、滝沢さんの「GOサイン」とともに、女優さんの股間から大量の水が噴き出した!

今回使用した最終兵器とは、女優さんの潮吹きを人工的に行う道具であった。

横からのアングルに切り替えて正面をうつさないことで、股間に装着された小型の水鉄砲のようなものを勢いよく噴射させた演出は、見事な出来栄えであった。

と、思っていたら今度は正面に戻り、装置がうつり込んでいるまま撮影し出した。どういうことだ!?

「ええ!つまりモザイク編集でどうにかなるので大丈夫です!」

滝沢さんが、私の頭の中の密かな疑問を察したかのように、そう答えてくれた。

なるほど、強めのモザイクを貼りつけて誤魔化すということか。そう、モザイクは完全に別画像を植え付けるケースもあり、こんな場合でも問題なかった。

透明処理や単純なセグの入れ替えのようなものだけではないのだ。

こうして病院内の撮影も無事終了し、スタッフたちは撤収作業を淡々とこなし、女優さんや監督が無事に帰って行ったあと、私と撮影スタッフもこの悪趣味な廃屋の病院を後にした。

領収証は税金込みです

時刻は午後10時過ぎ、私は撮影スタッフの車に揺られて彼らの事務所に着いた。

撮影に使用した機材を狭い事務所の中にバケツリレーのように降ろし、運んで1時間後、今日の作業がおわる。

「お疲れさまでした!じゃあ、これは今日の日当です!本当に助かりました!また宜しくお願いします!!」

滝沢さんは私に現金入りの封筒を渡してきた。入っていた日当は2万円であった。

私は他のスタッフとの挨拶を済ませて帰ろうとすると、滝沢さんに呼び止められる。

「あ!すいみません!!忘れていました!領収証を一筆お願いできますか?」

そうか、私に支払いした分の経費の証明ということか。私は、自身の頂いた金額をそこに書き込もうとした。

すると…、「度々すみません!29,999円と書いてもらっていいですか?すみません!

なるほど、所得税分も計上しなくてはならないためか。今のこの状況だとこれはれっきとした副業扱いになるのだろうから。

税金のことなどあまり詳しくなかった私は、そう思いながら言われた通りの金額を領収証に書き込む。

今からなら終電に間に合いそうだ、そんなことを考えながら電車で1時間ほど、ぐったりしながら家路についた。

結論的には「仕事」として全般的に動いている状況下で、たとえ綺麗な女性の性器を目の当たりにしても男としての反応、それはほとんど示されることはなかったのだ。

逆になんというか、そう「蛇の生殺し」という解釈が今回の仕事において一番の教訓のように思えてならなかった。

とにかく肉体的にも精神的にも、今までで一番疲れるアルバイトであったことが私の中では確かな事実として、今でも記憶に残っている。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

世の中には、このような特殊な環境下での特殊なアルバイトも存在しているということが、分かって頂けたかと思います。

また、このアルバイトに関しては公に募集されていることはまずありません。また、あったとしても「ロケ現場スタッフ募集」や「映像作品のAD(アシスタントディレクター)」などのお仕事で、かなり希少なケースでのみ募集していることがあるようですが、完全なAVの撮影というお仕事ではないようです。

このように人と人とのつながりが自身の仕事の幅を広げてくれるのは確かなことであり、それは得てして「想像もつかない仕事」である場合も多々ありますが、それらを全部加味したうえで様々な職種にチャレンジしていくことを私は個人的にオススメいたします。

Author: ごんた

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